インフルエンザ
インフルエンザは流行性の感染症で、毎年12～3月頃に流行が始まると短期間に乳幼児から高齢者まで多くの人へ感染が広がります。主に飛沫感染と接触感染で感染します。感染した人がくしゃみや咳をすることでウイルスが空気中に飛散し、それを別の人が口や鼻から吸い込むことで体内に入り込む飛沫感染です。また、ウイルスが付いた手でドアノブやスイッチなどに触り、後から他の人がその部位に触れ、鼻や口に触れたり、ウイルスがついた手で食物も持って食べたりすることで、感染するのが接触感染です。インフルエンザウイルスの潜伏期間は通常1～3日です。
インフルエンザの種類
インフルエンザウイルスは、A型、B型の２つに大きく分類されます。A型、B型のインフルエンザウイルスがどのように流行するかはその年によって違います。また、同じ年にA型とB型のインフルエンザウイルスにかかることもあります。
インフルエンザの症状
- 38℃以上の突発的な発熱
- 頭痛
- 関節痛
- 筋肉痛
- 全身倦怠感
- 咳
- のどの痛み
- 鼻水
風邪の症状と比べて、関節痛や筋肉痛といった症状が強いのが特徴で、 乳幼児や高齢者では肺炎や脳症などの重い合併症を引き起こすことがあります。
インフルエンザの検査
インフルエンザが疑われる場合は迅速診断キットで調べることができます。
発症直後(発熱してすぐ)は体内でのウイルスの増殖が少ないので検査で正確な結果が出ないことがあります。
発症後3時間で検査ができる迅速検査
インフルエンザの治療
インフルエンザの検迅速診断キットで陽性の場合、発症から４８時間以内であれば、抗インフルエンザ薬が有効です。抗インフルエンザ薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があります。
抗インフルエンザ薬には、内服薬（タミフル、シンメトレル）、吸入薬（リレンザ、イナビル）、点滴薬（ラピアクタ）があります。
治療薬による治療が開始された後は、異常行動の恐れがあるため、自宅において療養を行う場合、少なくとも２日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮しなければなりません。また、インフルエンザが原因で生じる、インフルエンザ脳症でも同様の症状が現れるという報告があります。もし、異常が認められれば、早急に医療機関への受診が必要です。
インフルエンザの予防法
予防接種（ワクチン）
インフルエンザの予防接種（ワクチン）はインフルエンザウイルスの感染を完全に予防することはできませんが、発病を抑える一定の効果とインフルエンザにかかった時の重症化を防ぐ一定の効果があるとされています。予防接種の効果は接種後約2週間を経てから現れ、約５カ月間持続しますので、10月～12月中旬までには予防接種を終えることをお勧め致します。ただし、12歳未満の方は2回目接種が必要です。
登園・登校の目安
インフルエンザと診断された場合、「発症後5日を経過し、かつ解熱後２日（乳幼児３日）を経過するまで」は登園・登校できません。「発症後5日を経過」とは発症した日を0日とし、翌日が1日目、翌々日が2日目という数え方です。
同様に「解熱後3日を経過」とは平熱に解熱した日を0日目とし、翌日が1日目、翌々日が2日目と数えます。